2021年2月16日、バイデン新政権誕生を受けた、岩上安身による、元外務省情報局長・孫崎享氏の連続インタビュー第2回が行われた。
ミャンマーのクーデターに関連し、同国の港湾開発の中国からの多額債務への懸念が取り沙汰される中、「中国に最重要なのはパイプライン維持」だから「『債務の罠』で港湾を奪うとは思えない」と、外交の機微を熟知する孫崎氏ならではの視点で分析した。
また、同国のクーデターを米バイデン政権が非難する際に掲げる「民主化」は、その国の政権が「米国に都合が悪い時」の「戦略的スローガン」と指摘。自ら駐留したウズベキスタンを例に、国の状況で「民主化」の意味は違うと述べた。
孫崎氏は「経済的に安定すれば民主化する」と言う。かつてそう考えた日本の外務省は、米国と対立したという。ウズベキスタンに協力した日本の影響力が大きくなり「アメリカが慌てた」こと、当時の「『円』を国際通貨にする構想」を米国が嫌った経緯などを明かした。
また、中国での出版やネットの発言の増大など、個人の自由増大を指摘。日本が、「表現の自由」でも中国に追い越されつつある懸念に触れた。その他、米国や中国など、リアルタイムで急激に変化する国際情勢について、広く深く語っていただいた。